おいしけりゃなんでもいい!

身近にある美味しいものを探したい。おいしけりゃ、なんでもいいんだけれど。

デコポンを熟成させる。保存方法や賞味期限はどう考えるべきか?

少しずつ暖かな気候になってきた今日この頃。
スーパーのフルーツ売り場も徐々に冬物が姿を消して、春物で埋め尽くされつつあります。
気の利いたフルーツ売り場なら早くもマンゴーやサクランボが並び始めていますよね。


さて、今回はそろそろ旬を過ぎようとしているデコポンについて。
柑橘類の中でも上位でデコポン好きの筆者は、実は去年の12月ごろからある実験を試みていました。
今回はその実験の過程と結果についてお伝えしようと思います。


ズバリ、今回試みたのはデコポンの熟成(追熟)です。

デコポンって何?という方はこちら記事を参考までに・・・・。
bollet.hatenablog.com

フルーツの熟成

熟成というとみなさんは何を思い浮かべるのでしょうか?お酒の世界ではワインの熟成については昔から認知されてきました。
最近では肉の熟成、魚の熟成と熟成という言葉がグルメ業界では一種のブームのようになっています
それと同時に多発する食中毒問題の観点からも、熟成というキーワードは素人が安易に手を出していい領域ではないという意見も多く聞かれます。


それはそのはず。なぜなら熟成というのは腐敗へ至る過程を指すものであり、一歩間違えれば腐ったものを食べて身体を壊すことになってしまうからなんです。
腐敗と熟成の境界線こそがある意味で最高に美食の極地を体験させてくれる場所であるわけですが、それを判断するのは人間の経験と知識。いとも簡単にその境界線は踏み越えられてしまうわけです。


さてさて、熟成についてのアレコレは専門家に任せると致しまして、今回はフルーツの熟成について焦点を当ててみます。
例えば桃や洋ナシ、キウイフルーツが固い状態から徐々にやわらかくなりしだいに食べごろを迎えるのは知られていますが、これも熟成です。
フルーツの熟成には大きく分けて収穫される前段階の熟成(成熟と呼んでもいいかもしれません。成長による味の変化ですね)収穫後の追熟と呼ばれる熟成の2パターンに分けられます。


当然、前者の熟成は農家さんが各自で経験と知識とを総動員して行う熟成であり、私たち消費者は関与することは出来ません。
たまに商品名に゛木熟"などという言葉が入っているフルーツがありますが、これは木の上で限界まで熟成させましたと言うアピール商品です。生産者や商品によっては、このようなことを記していなくても限界まで熟成させて出荷する人もいるなど、フルーツ業界における熟成という言葉もまた人や団体によるさじ加減で決まっているワケです。


僕はここ数年フルーツブームがきていて、様々なフルーツを食しましたが「完熟させてあります」という売り文句でもあまり熟成感を持てなかったり、その逆もまた然りで、結局は我々消費者が自己判断で購入してからのフルーツの最高の状態を見抜く意外に美味しいフルーツを食べる術はないということを思い知ったのです。

デコポンを熟成させる

では、今回の本題に入りましょう。
以前飲食店でデザート代わりに供されたデコポンを食べた時に感動したことがありました。デコポンはそもそもが厳しい規定によって出荷時にチェックされている商品なので、個体差も少なくどれも美味しい印象でしたが、その時食べたデコポンは明らかに異なる味わいでした。


お店の方にきくと「最善の状態になるまで自家熟成(追熟)させています」とのことで、これはぜひとも自分で再現してみたいとなったわけです。
というわけで去年の12月、ハウス栽培のデコポンが売り出されたころに買ったデコポンを熟成させる実験がはじまりした。

熟成期間は三か月

お店の人に聞いたところ、そのお店では「個体によって熟成期間は異なるもののおよそ1~2か月は寝かせておく」という話でしたので、今回は三か月のスパンで熟成を試みることにしました。


そして三か月後、ちょうどハウス栽培物もそろそろ露地物に切り替わるというタイミングで新たに市場に並んだデコポンも購入して比較してみることにしました。

熟成の神秘

まずはその見た目からご覧いただきましょう。

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こちらが三か月我が家で寝かせたデコポンです。
これだけ見ると普段からデコポンを意識して見ていない人にはピンとこないと思うので比較用に買ったばかりのデコポンと比べてみました。

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その差は一目瞭然です。
まずデコポンの象徴であるデコ部分がしぼんでいます。というか全体的に確実にしぼんでいます。


触ってると買ったばかりのものはハリがはり皮に硬さも感じますが、熟成させた方は言ってしまえばブヨブヨです。
これはもはや腐敗しているのでは・・・という嫌な予感も感じつつ皮を剥いてみました。

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中は普通です。グチョグチョになっているのでは・・・という不安もありましたが意外なほどに普通です。しかし実自体もかなりやわらかくプヨプヨしています。例えるなら赤ちゃんのほっぺみたい

この触感、あの時食べたお店のデコポンに近いぞ・・・。いっきに期待が膨らみます。



食べてみました。



・・・・。



ウマイ!


これはウマイです。


普通のものと比べて明らかに濃縮された味わい。甘みがすごく強い。
加えて最大のポイントは白皮の部分がおどろくほどやわらかい
デコポンは皮ごと食べられる柑橘ですが、ミカンではないのでどうしても白皮がひっかかるときがあるんです。しかしこれにはそれがまったくない。
まさにあの時お店で食べたデコポンと同じ印象をうけました。

デコポン(果物)は熟成している

今回の実験は成功といっても問題ないでしょう。
しいていえば少し寝かせすぎたのかも、という印象はうけました。
寝かせすぎてたせいか甘みは限りなく強いのですが、酸味が飛び過ぎて野暮ったいと言うか、ほぼミカンに近い味になってしまっていたんですよね。


お店の人がいっていたように一か月から長くて二か月くらいの期間が良いのかもしれません。
来年はぜひもう少しまとめて買って熟成に挑戦してみたいとおもいます。


今回の実験で果物が日々変化しているということ、その変化はちゃんとコントロールしてあげれば間違いなく味わいを深めることに繋がることがわかりました。

それと同時によく柑橘の賞味期限とかでみかける「10日くらい日持ちする」みたいなのはなんの根拠もないことであることがわかります。
いったい何をもって食べられない、賞味期限とするのか、賞味期限ってそもそもなんなのか、ということを考えさせられる実験でもありました


もちろん長い間放置することは腐敗にもつながります。場合によっては10日でダメになることもあるでしょうが、適切な管理をして寝かせていればむしろ数か月程度であれば余裕であることが分かりました。


これを機に今後もさまざまなフルーツの追熟に挑戦していきたいと思います。


なお、今回はデコポンを風通しのよい場所で保管していました。熟成には湿度や温度も密接に関係します。乾燥しすぎていても湿りすぎていてもダメですし、暑すぎても寒すぎてもダメだと思います。挑戦される方はぜそのあたりも考慮して挑戦するようにしてください。